自然栽培では、例えば、国で安全だと言われている農薬でも全く使いませんし、化学肥料はもちろん、有機肥料と言われる家畜の糞尿などの動物性有機堆肥、植物性有機肥料、有機物由来の防除・消毒剤、育苗土への肥料なども使いません。
「自然栽培」とは、太陽や水など自然の力だけを頼りに、土の中の微生物の働きによって、土や大気中にある窒素、リン酸などを栄養として取り込んで、米や野菜や果樹などを育てる栽培方法です。ですから、農薬だけでなく、化学肥料・有機肥料も使いません。
「自然栽培」という言葉こそ、その本質です。「自然」は無為的なもの。いっぽう「栽培」は有為的・人為的。自然と栽培、つまり自然と人間、環境と人間のバランスをとるということ。昔から大切にされてきた日本人の心や文化、多様な命を尊重する農業なのです。
近ごろは、自然栽培農産物の機能性の高さや旨み成分の多さも注目され始めました。世界農業遺産・能登の里山里海の、おいしい水、やさしい風、ゆたかな土で育った、深い旨みとタップリの元気のもとを、地域が一体となって発信しています。
はくいの自然栽培は2010年に始まりました。のと里山自然栽培部会は現在35人いて、約50品目の米や野菜、果樹を栽培しています。このうち19人が、約20ヘクタールで米を作付け。取り組み当初から種をつなぎ、この土地の風土や気候に合った米づくりを進めています。
ナチュラル・ハーモニーが事業の根幹に置く「自然栽培」。それは、簡単に言うと「肥料・農薬をつかわない栽培」のことです。肥料・農薬に頼らず植物と土の本来持つ力を引き出す農業で、自然に負荷をかけることない永続的な農業方式です。