企業規模を考慮しないダウ平均株価とは発想が異なります
ニューヨーク証券取引所に上場している企業は2,000社以上、ナスダック市場には3,000以上の企業が上場していますが、ダウ平均株価に組み込まれる銘柄は30種類だけです。時価総額や知名度、投資家からの注目度など、どの点から見てもアメリカを代表する「優良企業」ばかりです。
ダウ平均株価は、株価が高い銘柄の株価の影響を受けやすいのに対して、ナスダック総合指数は、時価総額の大きな銘柄の株価の影響を受けやすくなります。
平均株価と言えば、日本では日経平均株価がよく知られています。またアメリカの株価指数としては、ナスダック指数やS&P 500のことを思い出すかもしれません。このような株価指数がダウ平均株価とどのような関係にあるのか説明します。
ダウ平均株価を構成する銘柄はアメリカを代表する30社です。世界を代表するような30社と言っても言い過ぎではないでしょう。30社全てを知っているという方もいると思います。しかし、個別企業へ投資をする際は、ただその企業を知っているということだけでは足りないものです。個別企業への投資では、企業のニュースや財務、コーポレートアクションなどから、企業の属する国や営業を行う国の政治や経済などまで様々な要素が株価変動の重要な要因となり得るからです。ダウ平均の構成銘柄は、世界的な大企業なのでそういった情報も入手し易いかもしれません。しかし、そこには2つの壁が立ちはだかってしまいます。
・日経平均株価との違い日経平均株価を構成する銘柄は225種で、ダウ平均株価と比べてかなり多めです。しかし、時価総額(企業の価値の合計)で見ると、ダウ平均株価700兆円台に比べて、日経平均株価は300兆円台と半分ほどの規模になります。
S&P 500は、さまざまな業種の大企業500社で構成されているため、その動きはダウ平均株価よりもアメリカの証券市場全体の動きを反映しているものと、一般的に考えられています。
ナスダックは、1971年に開設されたアメリカの株式市場。主にベンチャー・新興企業が上場しています。「ナスダック総合指数」は、このナスダック市場に上場しているすべての企業の株価の平均を計算したものです。世界的な大企業のみで構成されるダウ平均株価と、必ずしも同じような動きを示すとはかぎりません。
また、ナスダック総合指数は時価総額加重平均と呼ばれる計算方法を採用し、規模の大きい企業ほど、その株価の動きが指数に反映するようにしています。ナスダック市場には、スタートアップ企業などの小型株(時価総額が比較的小さい銘柄)も上場されているため、企業規模によって指数への影響を調整しているのです。企業規模を考慮しないダウ平均株価とは発想が異なります。
NYダウ(にゅーよーくだう)とは、ダウ・ジョーンズ工業株価平均のことで、米国の株式市場の代表的な株価指数です。アメリカ各業種の代表的な30銘柄により構成され、構成銘柄はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社により選出されています。ダウ平均株価(だうへいきんかぶか)、ニューヨークダウ(にゅーよーくだう)とも呼ばれます。