ボーマン脳

ボーマン脳

木星にいたはずのボーマンをスターゲートの大空間移動によって、謎の部屋へと移動させたことについて解説していきましょう。スターゲートは別名ワームホールと呼ばれており、実在可能になるかもしれないと言われるものです。

そんな優しき地球外生命体が安全で落ち着ける場所にボーマンを移動させ、今後人類がどのような進化を可能にする力を秘めているのか、伝えたかったのです。

ボーマンがスターゲートで移動させられ、目が覚めたらベッドの上に寝ていました。長い眠りから覚めたようにボーマンは老体となってしまい、手をあげることもままなりません。

そんな時、目の前にモノリスが出現します。モノリスはボーマンをなんとお腹の中の赤ちゃんのように、小さな体に変化させ不思議な膜に包み込みます。そしてカメラはモノリスにどんどん近づいていき、モノリスの黒い本体がカメラを包んだ後に人類が住んでいた星と地球が映し出されます。

3つ目のモノリスは作中終盤に登場します。あらゆる難を経て木星に到着した船長のボーマンは、3つ目のモノリスに導かれていきます。まばゆい光とカラフルな空間であるスターゲートに包まれ、謎の部屋へと到着するのです。

腎臓の構造単位であるネフロンは1つの腎臓に100万個あり、糸球体とボーマン嚢と尿細管からなります。またボーマン嚢と糸球体の部分を腎小体といいます。糸球体では血液を濾過し、ボーマン嚢では原尿の受け入れ、尿細管では最終的な尿が作られます。毛細血管の糸玉である糸球体の血管の壁にはたくさんの細かい隙間があり、それよりも大きい赤血球、白血球、蛋白質分子は通過しませんが、隙間より小さくて蛋白質より小さな分子は水分と共に濾過されてボーマン嚢に出てきます。これが尿の元となる原尿です。

そんなワームホールはブラックホールとホワイトホールをつなげている時空のトンネルであるとも言われています。つまりボーマンはブラックホールが可能にするタイムトラベルを行った可能性もあるのです。

腎臓のつくりはどうなっているのでしょうか。ここでは、ミクロな組織を見ていきます。1つの正常な腎臓には、ネフロンという尿を作る構造が約100万個あります。腎臓は左右の腰のやや上の位置に1個ずつ、合計2個ありますので、1人あたり約200万個のネフロンを持っているということになります。ネフロンというのは、尿を作る糸球体と、作った尿から水や体にとって大事な栄養を再吸収する尿細管とがセットになったものを指します。また、糸球体を包むものをボーマンのう(ボウマン嚢)と呼びます。糸球体とボーマンのうをあわせて腎小体と呼びます。

このシーンもナレーションがあるわけではないため意味が分からないという人は多くいます。結局モノリスや地球外生命体である彼らは、ボーマンを過去の姿に変えたように、タイムスリップできる進化を身に付けるべきだと伝えているのでしょう。不明瞭さが残る最後のシーンに、実は優しき彼らが人類に伝えたかった最後のメッセージが隠されているのです。

ボーマン嚢は糸球体を包む内葉と外葉からなる二重の袋で、袋の中をボーマン腔といい、原尿を集めてそこから始まる尿細管へ送ります。ボーマン嚢の内壁は糸球体毛細管壁の内皮細胞層と基底膜とともに3層の濾過膜を形成します。尿細管では水やグルコースなどの再吸収、不要物質の分泌、尿の濃縮がなされます。腎血流量は心拍出量の約1/4にあたる毎分約1.2Lで、輸入細動脈を通って糸球体に入り、糸球体で濾過され毎分125mL程度の濾液がボーマン嚢へ入ります。これは糸球体に入った血液の約1/10にあたります。原尿は1日に150L以上作られます。

腎臓に流れてきた血液をキレイにするため、輸入細動脈という血管を通って糸球体という毛細血管の張りめぐらされた場所に血液は運ばれます。糸球体では血液から尿がろ過されて作られ、血液自体は輸出細動脈を通って静脈へ流れていきます。この最初に作られる尿を原尿と言いますが、原尿は尿細管を通る中で、大事な水分や栄養を再吸収していくのです。例えば体に水分が足りていなければ水分は多めに再吸収され、逆に体内の水分が十分すぎる場合にはそこまで再吸収しないような構造になっています。なお、ボーマンのうは、糸球体と糸球体によりろ過された尿を包み込んでいます。ネフロンの模式図をわかりやすく下の図でまとめました。

あらゆる次元を超えた移動を可能にするスターゲートですが、なぜボーマンはホテルの一室に吸い込まれてしまったのでしょうか?理由はモノリスを作ったとされる地球外生命体が、地球人の暮らしを再現できるホテルに移動させ、ボーマンのこれまでの生活を再構築させたからです。

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