人的資本経営では 経営戦略と人材戦略の連動が重要となります

経済産業省を定義している人的資本経営の定義をご紹介します。

世界でも注目されている人的資本経営。そのような中、日本では「伊藤レポート」が注目されています。

企業の人材戦略を定性的、定量的に明示する人的資本情報の開示は、「ESG投資」との強い関連性を有しています。経営の持続可能性や企業価値を示すうえで、人的資本情報は重要な判断基準に位置付けられたということです。これまで「指標化」、「明示化」できていなかった「人的資本」の可視化により、それを可能にしました。

「人的資本経営」がますます重要性を増すいま、まずは自社の現状を真正面から捉えることが要です。ていねいに整理すれば、やるべきことが視えてきます。優先順位も明確になります。状況によっては、根気がいることかもしれません。しかしながらいま、それをやるときだと思います。本質的な取組みでなければ、長続きもしなければ、成果もでません。

その後、内閣官房内「新しい資本主義実現会議」のワーキンググループ「非財務情報可視化研究会」において、今夏に向けて情報開示項目の検討が進められている。

人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出す経営のことです。中長期的な企業価値向上につなげる経営の在り方として、注目されています。

ISO30414では、「人的資本の情報開示」を、企業の人材戦略を定性的かつ定量的に社内外に向けて明らかにすることと定義しています。人的資本を可視化する「コスト」「組織文化」「採用」などの項目がガイドラインとして設けられていますが、ISO30414には認証制度や適用義務はありません。全ての項目を開示する義務はなく、どの項目について開示するかは基本的に企業や組織に委ねられています。

サステナビリティ情報開示のルール化(義務化)は数年前から各方面で話題ですが、2022年半ばで一番ホットな話題といえば「人的資本の情報開示」です。人的資本開示は法制化の機運もあって、メディアでの露出も増えています。ESGが盛り上がり始めたらあらゆる分野からサステナビリティ・コンサルティングに参入があったように、いまやHR系の企業はもれなく人的資本経営コンサルティングを始めています。旬ですね。

ESG投資への関心の高まりなどを背景に、2020年8月に米国証券取引委員会(SEC)が米国の上場企業に対して人的資本の開示を義務化しました。人的資本の開示により、これまで財務指標だけでは見えてこなかった、企業の「人材投資の状況」「人材の流動性」「ハラスメントリスク」などの可視化にもつながっているようです。

そして先日、内閣官房から「人的資本可視化指針」の案も出ていて、いよいよ人的資本開示ルールの全貌が見えてきたところです。人的資本可視化指針の詳細は本文内にリンクを貼っておくので確認してください。

「人材力は財務諸表には表れないが、重要である」と言われてきた状況が、「人的資本の可視化」という世界の潮流により、大きく変わりつつあります。

人的資本経営では、経営戦略と人材戦略の連動が重要となります。

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