前回の利上げ局面のピークでは2.0%程度だった

その引き金として有力なものが雇用統計や物価上昇率などです

それでも、長期金利の上振れが金融市場の混乱をひとたび生じさせてしまえば、経済の悪影響は強まり、緩やかな景気後退ではなく厳しい景気後退、いわゆるハードランディングに陥る可能性が高まるだろう。今後の米国の金融政策、債券、株式市場、そして景気の動向を占う際には、実際の物価の行方だけではなく、市場の予想物価上昇率の動きが非常に重要になるだろう。

一方、利上げ方向であれば、原理的にはどこまででも上げることが可能です。また金利を上げれば、将来的に引き下げた時の効果も大きくなるため、一定の水準にしておくことには政策上のメリットもあります。

2000年以降、ここ20年でアメリカは2度の大きな利上げを実施しています。まず2004年6月から2006年の6月にかけての2年間で、初期には1.00%だった金利が最終的には5.25%まで上昇しました。

アジア経済の4つのリスクとして中国経済の減速、コロナ感染症の新たな変異株、ロシアのウクライナ侵略に伴うエネルギー・食料価格上昇と米欧の利上げを挙げた。特に、米欧中銀が「アグレッシブに利上げしており、先進国が利上げすると途上国に大きな影響があるのが過去の経験」と警戒感を示した。

9/12には、豪中銀の金利先高観や対ユーロでの豪ドル買いにサポートされ、NY市場終盤にかけて98円40銭まで上昇。さらに、9/13の米CPIが予想を上回り、ドル円の144円台への反発に伴い、98円67銭へ上昇したものの、ドルが全面高となる中、対ドルでの急落とともに97円20銭へ下落。さらに9/14の日銀によるレートチェックの観測を受けた円買いに押され、95円99銭後、9/15の豪8月雇用統計が市場予想とほぼ一致したことから、10月の0.5%の追加利上げ観測のほか、株高によるリスク選好、さらに、NZ4-6月期GDPが予想を上回ったことでNZドルの上昇にもサポートされ、97円台を回復。

その引き金として有力なものが雇用統計や物価上昇率などです。これらの経済指標が先行きのインフレを示唆していると思われた場合、利上げの方針が決定されます。

FXの取引では2つの国の通貨が使われます。利上げが起きると、それらの通貨間の価値や力関係に変動が起きるので、必然的に売買価格への影響は避けられません。売買価格は市場における需要と供給の関係で決定されますが、そこには大きく2つの要素が関わってきます。

A.すでに、円安はピークを打った可能性はある。これまで米国で利上げが進むから、日本から米国に投資資金が流れて、ドル買い・円売り=ドル高・円安になると理解される。ドル円レートは3月以降1ドル115円から138円まで円安が進んできた(図表4)。ところが、7月の会合前からドル円レートは、140円の手前で円高方向に戻している。これで円安は終わりだとは断定しにくいが、趨勢的な円安の流れが変わった可能性はある。

このため、アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)がインフレを抑えるため、大幅な利上げを続けるという見方が広がり、低い金利の円を売り、利回りが見込めるドルを買う動きが急激に進みました。

10年物価連動債に織り込まれた予想物価上昇率(期待インフレ率)は現在2.5%程度である。前回の利上げ局面のピークでは2.0%程度だった。FF金利から予想物価上昇率を引いた実質金利は、前回の利上げ局面のピークは0.25%~0.5%、今回の利上げ局面のピークは、それよりも0.5%高い0.75%~1.0%程度となる。経済活動への影響は、名目金利ではなく実質金利で決まる傾向が強いことから、今回の利上げ局面の方が景気抑制効果は大きいことになる。

この点から、9月のFOMC以降は、FRBの利上げペースはそれ以前から大きく変化し、かなり鈍化することが予想されているのである。そして金融市場は、来年3月以降に、緩やかな利下げを予想している。

次に、ドットチャートについて、メンバーが適切と考えるフェデラルファンド(FF)金利の水準は、6月時点で、2022年末が3.375%、2023年末は3.75%、2024年末は3.375%、長期(Longer run)は2.5%でした(いずれもドットの中央値)。市場では今回、この中央値がどの程度、上方修正されるかが特に焦点となっており、中央値の水準によって、今後の利上げペースを探る展開が見込まれます。

戦争に巻き込まれたり、国内で紛争が起こるなど政治が不安定になった場合、その国への投資を控える人が増えるので、為替相場は下落しやすい。

このように世界や日本に避けがたい影響を与えるアメリカの利上げですが、その判断はどのようにされるのでしょうか?利上げを決めるのはFRBであり、その判断を担うのはFOMCですが、実際のところそれは純粋にアメリカの国内事情のみで決まります。

例)原材料を1万ドルで海外から輸入していたとします。1ドル100円のときは100万円の購入費用となりますが、90円になると90万円の購入費用となり、10万円の費用削減となります。それにより業績が良くなり、株価は上がることがあります。

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