19日開催なら安倍元首相の国葬(27日)までさして間がない
在任期間の最長記録だけは事実だが、国民からは残りの3つについて「曖昧な成果ばかり」という声も少なくない。何よりも、国民が「国葬」に反対する理由は、今までの旧統一教会との関係であることは明白だ。
米ホワイトハウスは、ジョー・バイデン大統領がファーストレディのジル氏と共に参列すると明らかにしている。ただ、夫妻がバスで葬儀会場に移動することはないとみられている。
イギリス連邦の各国の首脳らも参列が見込まれている。女王は在位期間を通して、それらの国々の元首だった。
第一報が出てから数時間がたったネット上には「弔問外交を言う資格もないほどの失態」「外交能力の低さが露呈」「よく安倍の国葬で外交をとか言えるな」「こういうところにも外交センスが表れる」と、対応の遅さに批判の声があがった。
前日の閉会中審議のストレスでヤケ酒でも飲んでいたのか、弔意の表明に大きく出遅れた岸田首相。それに対して世界各国の首脳はいち早くエリザベス女王への弔意を示していた。
ウェストミンスター寺院での葬儀には、最大約2200人が参列できる。
また、日本の徳仁天皇、トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領も参列が見込まれている。
首相の姿勢を巡っての政府事務方の口は重い。70年にわたり英君主として君臨した女王の国葬へはバイデン米大統領も出席の意向を示している。先進7カ国(G7)はじめ各国首脳や元首クラスが一堂に会する。19日開催なら安倍元首相の国葬(27日)までさして間がない。「同じ弔問外交の舞台たる安倍氏の国葬がかすみかねない」(外務省関係者)からだ。
複数の政府関係者によると、首相はもともと今月下旬にニューヨークで行われる国連総会に出席予定だった。その前にイギリスに立ち寄り弔意を示すとともに、各国首脳との対話の機会を持つ構想という。日本からは天皇皇后両陛下が参列の方向で調整に入っている。
日本からは天皇皇后両陛下の参列、両陛下にとっては即位後初の外国訪問に。
あのロシア・プーチン大統領でさえも「エリザベス女王は、世界が権威を認めた」との弔意を岸田首相より先に発表している。
イランは、核開発計画に絡んで長年、国際的な制裁の対象となっており、大使レベルのみの参列になると、英政府関係者は話した。
「日本を代表し両陛下が出席される見込みなのに岸田総理が出向く必要があるのか。それなら早く国会を開け」と指摘する立憲民主党幹部は「それとも安倍氏の国葬の来賓が貧弱で物足りないからか」と皮肉る。実はその皮肉こそが、事務方が「最も恐れる世論」(内閣府職員)という。
2000年に在任期間中に亡くなった小渕恵三元首相の合同葬には、アメリカのクリントン大統領(当時)、韓国の金大中大統領(当時)も参列したが、ネットでは「今回それよりも格落ちになることは間違いない」との声も多く出ている。
さらに岸田首相は同日の閉会中審査で、本来なら国葬の3日前に公表するはずだった海外の弔問客を“フライング”発表した。国葬の必要性を説明するため前倒しで発表されたのは、アメリカのハリス副大統領、カナダのトルドー首相、インドのモディ首相、オーストラリアのアルバニージー首相、シンガポールのリー首相、ベトナムのフック国家主席、EUのミシェル首脳会議常任議長ら。やはり主要各国トップの名前はなく、「弔問外交」で各国との関係強化をはかることをアピールしたかったようだが、逆に参列者のショボさを露呈する結果となった。