――なぜ「未来人材ビジョン」を発表したのですか

未来人材ビジョンは、2022年5月に経済産業省が発表したレポートです。

未来人材ビジョンでは、将来の労働需要の変化を推計した上で、社会システム全体を見直す大きな方向性を二つに整理し、今後取り組むべき具体策を示しました。

今後、多様化・複雑化する経営環境において企業の価値を持続的に高めるには、未来人材ビジョンが提唱しているように、経営戦略と人材戦略を連動させ、「人材を資本」と捉えて積極的に投資する「人的資本経営」の考え方が必要とされてくるでしょう。

未来人材ビジョンは、現在の日本企業の在り方に警鐘を鳴らし、各企業における雇用制度や人材育成の見直しにつながることを期待して策定されています。あくまでも未来人材ビジョンは、最初の出発点として提示されたものであり、経済産業省も「それぞれの産業や職種において、組織内の人事制度や業界の人材育成の在り方の議論に一石を投じること」を目的として未来人材ビジョンを公表しました。これからの時代に必要なこととして最初に求められているのは、企業の意識変革といえます。

経済産業省が今後の人材政策などを検討するために設置した「未来人材会議」は5月31日、未来を支える人材の育成・確保に向けた方向性を示す「未来人材ビジョン」を取りまとめ、公表した。同ビジョンでは、将来の労働需要の変化を推計した上で、社会システム全体を見直す大きな方向性を「旧来の日本型雇用システムからの転換」「好きなことに夢中になれる教育への転換」の二つに整理。実現に向け今後取り組むべき具体策を示した。

未来人材ビジョンは、先進国であるはずの日本の厳しい現状をデータで指摘するとともに、社会システムの見直しや人材に対する考え方の転換を企業に求めています。

未来人材会議は6人の委員に加え、富士通社長やトヨタ自動車の総務・人事本部本部長ら9人のゲストスピーカーを迎えて2021年12月〜2022年4月まで5回開催されている。中間のとりまとめとして、未来人材ビジョンが発表された。

――なぜ「未来人材ビジョン」を発表したのですか。

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