ダウ平均株価の上昇・下落に大きな影響を与えています
ダウ平均株価は、株価が高い銘柄の株価の影響を受けやすいのに対して、ナスダック総合指数は、時価総額の大きな銘柄の株価の影響を受けやすくなります。
ダウ平均株価は、アメリカ国内の経済指標の発表や国内外の動きにより上昇・下落します。
ダウ平均株価は、ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場している30銘柄の株価をもとにして算出されます。日本の日経平均株価は東証1部を代表する225銘柄で構成されていることを考えると、かなり少なく感じませんか。でも、ダウ平均株価に採用されている30銘柄はいよいよツワモノぞろい。ナイキやアップル、マクドナルドなど、世界各国で事業展開している超優良企業に限られているのです。
また、国内総生産(GDP)や米国消費者物価指数などの指標も、株価に影響を及ぼしやすいと言われています。アメリカの金融政策を決定するFOMC(米連邦公開市場委員会)もこれらの指標を参考にしています。2019年12月のFOMCでは、経済活動が緩やかなペースで拡大していることを理由に、それまで3回連続で引き下げてきた政策金利の据え置きを決めました。この結果、景気の先行きへの安心感から株が買われ、ダウ平均株価の上昇につながりました。
例えば、失業者や就業者数の増減を発表する「雇用統計」は、米国の景気を占う上で注目されています。一般的に雇用統計が前月比で増加すると、雇用の安定が個人消費に繋がるとの見方が強まり、株価の上昇につながります。逆に減少すると景気が落ち込むと判断され、失望から売りが進むなどし、ダウ平均株価に作用します。
ダウ平均株価には、「ダウ工業株30種平均」、「ダウ輸送株20種平均」、「ダウ公共株15種平均」の3種類と、これらをあわせた「ダウ総合65種平均」の合計4種類があります。一般的に「ダウ平均株価」といった場合には「ダウ工業株30種平均」を指します。NYダウとも呼ばれています。
株式投資の格言に「漁師は潮を見る」というものがあります。漁師が魚を採りに行くときは、気象や潮の流れを読みながら魚が集まりそうなポイントに網を張ることで大漁を目指します。株式市場にも同様に、流れがあります。ダウ平均株価をチェックして、アメリカの動向にも気を配ることで、日本の株価の動きも読み解くことができるようになるでしょう。
この他、アメリカと中国の貿易交渉の行方や、トランプ大統領の発言などにも株式市場は敏感に反応。ダウ平均株価の上昇・下落に大きな影響を与えています。
S&P 500は、さまざまな業種の大企業500社で構成されているため、その動きはダウ平均株価よりもアメリカの証券市場全体の動きを反映しているものと、一般的に考えられています。
株式相場は年初から荒れ模様が続いている。主要3指数の4月の下落率はS&P500種が8.8%、ダウ平均が5%近くとなり、いずれも月間で2020年3月以来の大きさとなった。ナスダック総合の下落率は13%を超え、2008年10月以来の大幅な下げを記録した。
ダウ平均株価に選出されている企業は、世界経済のけん引役であることは間違いありません。ですから、日本をはじめ、世界の株価はダウ平均株価の動向を意識する傾向にあります。投資家はダウ平均株価の動きをチェックしながら、翌日の日本や世界の相場の見通しをたてるのです。
NYダウ(にゅーよーくだう)とは、ダウ・ジョーンズ工業株価平均のことで、米国の株式市場の代表的な株価指数です。アメリカ各業種の代表的な30銘柄により構成され、構成銘柄はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社により選出されています。ダウ平均株価(だうへいきんかぶか)、ニューヨークダウ(にゅーよーくだう)とも呼ばれます。
また、アメリカの経済が悪くなりダウ平均株価が下落すると、機関投資家(金融機関や保険会社の投資家)は、アメリカで生じた損失を埋め合わせる必要があります。そのため、日本や他の国で利益の出ている資産を売ることによって、米国にお金を還流させることもあります。こうした投資家の動きも日本や世界の経済に影響を与えます。つまり、ダウ平均株価は、世界の経済の動向を知るバロメーターなのです。