基盤強化に向けて 医療費適正化計画のあり方も見直す

そのうえで、後期高齢者医療制度の保険料賦課限度額の引き上げを含む保険料負担など各保険制度における負担能力に応じた負担のあり方について総合的な検討を進めるとした。

岸田首相は、骨太方針に盛り込まれた医療DXやかかりつけ医機能の制度化の推進など個別項目について「参院選後、決定した方針を前に進めるための総合的な方策を具体化する」としている。

このうち、「診療報酬改定DX」は、デジタル時代に対応した診療報酬や、その改定に関する作業を大幅に効率化することにより、医療保険制度全体の運営コスト削減につなげる。

骨太にはまた、医療情報の利活用について法制上の措置を講じると記載しているが、具体性がない。要配慮個人情報である医療情報が、本人の同意なく使用されることは確実だ。

社会保障分野における経済・財政一体改革の強化・推進に向けては、オンライン資格確認について、医療機関・薬局に令和5年4月からの導入を原則として義務付けるとともに、導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むよう、診療報酬上の加算による支援措置を中医協で検討する。

今後の医療ニーズや人口動態の変化、コロナ禍で顕在化した課題を踏まえ、質の高い医療を効率的に提供できる体制を構築。かかりつけ医機能が発揮される制度整備や地域医療構想の推進など、機能分化と連携を一層重視した医療・介護提供体制の国民目線での改革を進めるとした。基盤強化に向けて、医療費適正化計画のあり方も見直す。

そこで、今回は骨太の方針2022を解説します。

質の高い医療を効率的に提供できる体制を構築するため、機能分化と連携を一層重視した医療・介護提供体制等の国民目線での改革を進めることとし、かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行うとともに、地域医療連携推進法人の有効活用や都道府県の責務の明確化等に関し必要な法制上の措置を含め地域医療構想を推進する。

政府は5月31日の経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)に、「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」の原案を示した。与党との調整を経て、近く閣議決定する。令和5年度予算編成に向けては、4年度から6年度まで歳出改革努力を継続する方針にもとづき、経済・財政一体改革を着実に推進。社会保障改革は、かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行い、機能分化と連携を一層重視した国民目線での医療提供体制改革を進める。他方、保険者による保険証発行の選択制導入や、オンライン資格確認の導入状況を踏まえた保険証の原則廃止をめざす方針を明示した。

【スポーツ施設内メディカルモール】
中央自動車道調布インター出口すぐ横の国道20号線に面し、視認性も良好であると共に西調布駅より徒歩10分と通院の利便性もある立地に位置しております。調布市立富士見児童館が隣接しています。
また地区周辺は全体的に人口数の割に医療機関が少ない為、各科医院の開業には好適な物件です。

他方、▽全国医療情報プラットフォームの創設▽電子カルテ情報の標準化等▽診療報酬改定DX─の取り組みを行政と関係業界が一丸となって進めるため、総理を本部長とし関係閣僚で構成される「医療DX推進本部(仮称)」の設置を明記。

骨太には、保険医療機関・薬局に2023年4月からオンライン資格確認の導入を原則として義務付けるとともに、2024年度中を目途に保険者による保険証発行を選択制とし、将来的な保険証の原則廃止を目指すと記載された。他方で、加入者から申請があれば保険証は交付されるとも明記された。

さらに「診療報酬改定DX」により「改定に関する作業の効率化」をはかるとも記載されている。しかし診療報酬改定実施の前日に大量の疑義解釈や訂正通知が出され、医療現場の大きな負担となっている現状では説得力がない。改定に十分な周知期間を設けない限り、根本的な解決にはならない。

オンライン資格確認は2021年10月に本格運用が開始されたが、6月26日時点の運用施設数は23・6%に留まっている。設備維持のための費用や、情報漏洩の危険性、ネットワークセキュリティへの不安等から導入していない医療機関が多い中、原則義務化の方針を打ち出すのは性急すぎる。会員からは「義務化方針に反対してほしい」との要望が協会に数多く寄せられており、協会は5月30日、現場を顧みない強引な計画に対し抗議声明を発表した。

良質な医療を効率的に提供する体制整備の観点から、4年度診療報酬改定で措置された取り組みの検証を行うとともに、周知・広報の推進とあわせた「リフィル処方箋」の普及・定着のための仕組みの整備を実現すると強調。

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