このアーティスティックな奇抜さも常田さん的…?
―2年半前くらいに僕が初めて常田さんに取材させていただいたとき、常田さんは「大勢の人に求められることが、自分のクリエイティビティにどういうふうに作用するのか、怖くもある」ということを仰っていて(参考:King Gnu常田大希の野望と目論み 次の時代を見据える男の脳内)。
冒頭からずっとワウの話をしている気もしますが…常田さんサウンドを目指す上で絶対外せないワウ。用意するならベストはXotic / XW-1です。お気に入りのエフェクターがある程度揃っていて良いワウが欲しい、という方でも幅広い音作り可能でオススメできます。一生モノのワウとして考えて頂けると思います。
現在、独立して4年目の常田さん。これまでのYouTubeやテレビなどの「メディアプロデュース」と、「U-SERIES」での「アプリ開発」の2つが組み合わさって化学反応を起こし、徐々に手応えを感じてきていると言う。
今回の基準となる組み合わせです。ワウをかけた時に音がスカッとしてしまいがちですが、XW-1はしっかりと太さは保ちながらもギターの気持ちいいところが出ています。常田さんの存在感のあるバッキングを意識してみました。XW-1とそのほかのワウを実際に弾き比べて頂くと強く感じるのですが、踏みしろが全く違います。足元の感覚でワウの音をより緻密にコントロールできるようなイメージです。ジュワーっとワウがかかっていく感じが全然違います…!!
―「個人的なもの」が「大編成」であるというところが常田さんの特殊さですよね。自分自身を掘っていったときに、内省的で密室的な、閉ざされたものになるというよりは、「一は全、全は一」の感覚というか、より拡張された表現になっていくという。
―常田さんなりに「祭り」というものを突き詰めていったときに、音楽作品に昇華するのはKing Gnuよりもmillennium paradeだった?
——まず最初に、常田さんの音楽との結び付きについて、特にチェロとの出会いについてお伺いさせてください。
XW-1に比べると少しまったりとしたモワワワって感じ、伝わりますでしょうか…。これはこれで気持ちのいいワウサウンドです。が、常田さんを目指すなら抜け感がもうちょっとだけ欲しい…!!
やっぱり、P-90の方がいいかなという事でこちらのギターを選出。派手なルックスが先行しがちですが、音は骨太でワイルド。このアーティスティックな奇抜さも常田さん的…?
母親が音楽家志望だった影響もあり、音楽を習わされた。しかし、常田さんが中学生くらいになると、徐々に音楽に興味を持ち始め、「東京にいる、この先生のレッスンに通ってみたい」など能動的にバイオリンを練習するようになる。
―常田さんにとって、「家族」というものは、どのようにして定義づけられるものですか?
「FenderとGibsonの良いとこ取り」と言われることもあるこのモデル。音楽的な幅の広さが求められそうなKingGnuの楽曲をやる上で、オールマイティなギターが必要だったのかも…?個性的な見た目が持つ人間を選びそうなものですが、さすが常田さん。超カッコいいですね!!
―常田さんにとって、音楽は決してインスタントなものではなく、手筒花火のように丹念に作り込まれるべきものである?
Q.楽曲を作り演奏し、その上でMV製作まで…。常田さんが同じチーム=ペリメトロンでMV製作している意味は?哲学が共有されるというのが一番大きいですね。自分が成長するように、チームメンバーも各々成長していっているので。1つ目のMVを作ったら「ここがよくなかったね」って反省して、2作目は「こうだったね」って反省して、何年も積みあげてきているので、より強固になっていくというか。売れたから有名な映像作家さんに頼む、というやり方では到達できない領域があると思います。同じクルーでやっていることそのものに、やりがいのようなものも感じます。