今年度から 高校の家庭科などで金融教育が必修になりました
高校で新たに設けられる必履修科目「公共」では、「B 自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち(3)主として経済に関わる事項」の中で、「企業会計」「会計情報」に触れながら、経営への関心を高める指導を工夫するよう書かれています。
高校教師466名のうち、実際に「資産形成」を教えることになる家庭科教師は15人と少人数でしたが、そのうち「資産形成」をしている人が7人いたにもかかわらず、教える自信が「ある」人はいませんでした。なお10人以上から回答があった科目で、自信が「ある」を誰も選ばなかったのは家庭科のみでした。
将来的には、実践を生かした映像教材を作成したいですね。現場の先生方を対象にアンケート調査を行い「会計」が取り上げられたことについての意見や声もぜひ、伺いたいと思います。各都道府県の中学校や高校の社会(公民)科教育研究会と、弊会の支部である地域会が連携しながら、教材の普及促進を図り、地域に根差した貢献も考えています。
今年度から高校の家庭科の授業で、投資や資産形成まで踏み込んだ金融経済教育が必修となった。変化の激しい現代社会では、将来生きていくうえで切り離せないお金について若いうちから正しい知識を身に付けておく必要性が高まっている。だが一方で、「お金の話をするのは下品」「子どもにはお金の心配はさせたくない」などといった価値観が強かった日本では、金融リテラシーをいかに高めるか、そのノウハウに乏しいのも事実。金融教育の拡充に取り組む現場では今、何が起こっているのか。
中学や高校で「会計」を教える際には、「何事もお金を扱うことには説明責任が伴う」というアカウンタビリティ、つまり「報告すること」の理解から始めてほしいと思います。先ほどの部活動の例でいえば、集めたお金の計算を誤らないということも大切ですが、そもそも説明責任がなぜ発生するのか、なぜ報告をしなければならないのか、という点から出発してほしいのです。
今年度から、高校の家庭科などで金融教育が必修になりました。
栗原 新学習指導要領に基づいた新しい中学校の教科書については、本年6月・7月に展示会が行われたところです。高校の教科書は現在、各教科書会社が作成中です。現場としては実際に教科書を開いて初めて、新しく教える内容を意識するケースが多いので、「会計」を授業で取り上げる機運は、これから盛り上がっていくものと思われます。
業界最多の講座数を誇る日本最大規模の金融オンラインスクール「グローバルファイナンシャルスクール」は、2022年度から、高校家庭科で「資産形成」が必修として盛り込まれることに先立ち、高校教育の現場に実際に関わる高校教師がそのことに対してどのような考えを持っているのかを知るため、全国の20~50代の高校教師466名に、アンケートを実施しました。
高校家庭科で「資産形成」が必修化されることを、80.0%の教師が「とても良い」「やや良い」と回答。そのうち、「資産形成」をしている教師(全体の48.5%)では89.4%、していない教師(全体の51.5%)では71.2%と、ご自身が「資産形成」をしているか否かに関わらず、必修化に肯定的であることが分かりました。
またその理由を聞いたフリーアンサーの出現単語数を計測したところ、「必要」という単語が最も多く出現し、高校教師の中で「資産形成」の授業が“必要”と考えられていることが読み取れました。