糸球体からボーマン嚢

このような尿を生成する過程があることを踏まえると、腎機能が悪いと言われた際には、糸球体に問題があるのか尿細管やそれを取り巻く間質に炎症などの問題があるのかを考えることになります。様々な検査、症状の経過から、腎臓の構造の中のどこに異常があるのかを見分けていくわけです。

腎臓のつくりはどうなっているのでしょうか。ここでは、ミクロな組織を見ていきます。1つの正常な腎臓には、ネフロンという尿を作る構造が約100万個あります。腎臓は左右の腰のやや上の位置に1個ずつ、合計2個ありますので、1人あたり約200万個のネフロンを持っているということになります。ネフロンというのは、尿を作る糸球体と、作った尿から水や体にとって大事な栄養を再吸収する尿細管とがセットになったものを指します。また、糸球体を包むものをボーマンのう(ボウマン嚢)と呼びます。糸球体とボーマンのうをあわせて腎小体と呼びます。

一般に、治療に反応しなかった場合に 緩徐 に進行します。無治療の場合は、10〜15年で50〜60%が末期腎不全に至るとされています。25〜40%の方では腎臓の機能が維持されますが、自然に治癒する方は10%未満です。臨床症状としてネフローゼ症候群、腎機能低下、高血圧を伴った場合と病理所見で半月体を認めたり、病変の分布が広範な場合、あるいは糸球体以外の尿細管間質病変の合併などが不良な経過と関連します。なお、小児例ではプレドニゾロンの大量隔日投与法により末期腎不全は約15%と減少しています。さらに、わが国では学校検尿などでの早期発見と治療により,末期腎不全への移行はさらに減少傾向を示しています。

腎臓は腰上に左右1つずつあり、成人で重さ100~150g、そら豆に似た形をした臓器です。腎臓には腹部大動脈から分岐した腎動脈が入り、下大静脈へ繫がる腎静脈と膀胱に繋がる尿管が出ています。腎臓は腎動脈から送り込まれた血液から尿として老廃物や余分な水分を尿管へ排出し、浄化された血液を腎静脈から送り出します。一つの腎臓は約100万個のネフロンで形成されています。ネフロンは糸球体・ボーマン嚢・尿細管で構成されており、糸球体とボーマン嚢を合わせたものを腎小体と呼びます。腎小体で濾過され造られた尿は尿細管から腎盂を経由して尿管に流れます。また尿細管では必要な物質(水分・アミノ酸・アルブミン・電解質など)が再吸収されます。

腎臓に流れてきた血液をキレイにするため、輸入細動脈という血管を通って糸球体という毛細血管の張りめぐらされた場所に血液は運ばれます。糸球体では血液から尿がろ過されて作られ、血液自体は輸出細動脈を通って静脈へ流れていきます。この最初に作られる尿を原尿と言いますが、原尿は尿細管を通る中で、大事な水分や栄養を再吸収していくのです。例えば体に水分が足りていなければ水分は多めに再吸収され、逆に体内の水分が十分すぎる場合にはそこまで再吸収しないような構造になっています。なお、ボーマンのうは、糸球体と糸球体によりろ過された尿を包み込んでいます。ネフロンの模式図をわかりやすく下の図でまとめました。

腎臓の働きは、必要なものが多い場合は再吸収を多くし、必要なものが少ない場合には尿として排泄するものを多くするということになります。ちなみにですが、糸球体は複雑な構造をとっており、損傷を受けて一度壊れてしまうと再生はできません。一方、尿細管上皮細胞は再生されますので、尿細管がダメージ受けた後しばらく時間が経過した状況であれば、再生した尿細管上皮を見ることができます。とはいえ、尿細管も損傷がはなはだしいと元には戻らず、線維化といい荒れ果てた跡のような状態となります。

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