私が目指すのは 新しい資本主義の実現です

そうした数々の課題に向き合い「誰一人取り残さない・持続可能でよりよい社会」を実現するための一つの方法として、新しい資本主義が掲げられている。私たちも社会の一員として、目指すところが同じではなくても、自分ができることや成すべきことを問い続けていく必要があるだろう。

すでに新しい資本主義の実現に向けた取り組みは、いくつか始まっている。

株式会社日本取引所グループは、この度、「『新しい資本主義』実現に向けたJPXグループの取組」を公表いたしましたので、お知らせいたします。
本年6月7日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」及び「経済財政運営と改革の基本方針2022」では、「新しい資本主義」が目指す「成長と分配の好循環」の実現に向けて、「資産所得倍増プラン」を策定し、貯蓄から投資へのシフトを進める方針などが示されました。
JPXグループでは、企業におけるイノベーション・成長を促進する環境の整備や、家計における金融リテラシー向上・資産形成の取組を支援することにより、資本市場を通じた「成長と分配の好循環」の実現に貢献していきます。

言い換えれば、岸田政権における「新しい資本主義」の新しさとは、戦後一貫して続けられてきた自由貿易体制が曲がり角にさしかかり、経済的合理性だけを追求して経済成長を目指すことは安全保障上のリスクが大きすぎるため、経済安全保障を確立した上で経済政策を進めなければならない、という点になるのかもしれない。経済的合理性と安全保障上の合理性のバランスを取りながら、経済成長を追求することこそ、21世紀における新しい資本主義のあり方なのだろう。

岸田政権が進める「新しい資本主義」と「経済安全保障」は必ずしも相性が良いというわけではなく、経済がグローバル化する中で、敵対的国家に対する依存が政治的なリスクになるため、経済成長を進める前に、まずはそうしたリスクを回避するための措置をとっておくべき、という前提条件として位置づけられていると考えるべきであろう。他国の経済安全保障政策を見ても、この時代において、敵対的国家に依存することのリスクはどんどん大きくなり、そのリスクを回避しなければ、経済成長も分配も期待出来ない、という認識が高まっているように思える。

新しい資本主義では、これらの問題を単なる障害としてではなくエネルギー源として捉え、誰一人取り残さない持続可能な経済社会を実現するための成長を図っていくという。

私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。成長を目指すことは極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組みます。しかし、「分配なくして次の成長なし」。成長の果実を、しっかりと分配することで、初めて、次の成長が実現します。大切なのは、「成長と分配の好循環」です。「成長も、分配も」実現するため、あらゆる政策を総動員します。

新しい資本主義とは、日本の第101代内閣総理大臣・岸田文雄が掲げる経済政策のことを指す。コンセプトは「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」だ。

そこで登場した「新しい資本主義」は、「国家か市場か」「官か民か」の二元論的な考え方ではなく、新自由主義によって生まれた課題に対し市場・国家・市民社会が一体となって解決を図ることを目指している。

おすすめの記事